3月1日、長池公園のカタクリ観察路では、カタクリの葉があちこちから顔を出しています。
これらのうち、発芽7~8年目以上となる2枚の葉を付けた株だけが、これから開花します。
発芽1年目から6年目はわずか1枚の葉のみを地上に広げ、花を付けずに枯れていくのです。
では、この植物は何でしょう?・・じつはこれこそが、発芽1年目のカタクリの赤ちゃん。
モヤシのようなひょろ長い葉が種皮をくっつけたまま伸びてきて、今年はこれで終了です。
2年目はもう少し葉っぱらしい形になりますが、やはり小ぶりです。カタクリ群落の中に
モヤシのような1年生を何本も見つけることができたら、それは喜ばしいこと。なぜなら、
ちゃんと種子繁殖が行われており、世代交代がうまくいっていることの証だからです。
カタクリの個体寿命は40~50年といわれていますが、若い世代のカタクリが多く育って
いる群落は将来的にも安定して花を咲かせ続けることになりますので、花ばかりではなく、
花を咲かせないで枯れていく(地下部で生き続ける)若い世代にもぜひご注目下さい!
現在のカタクリ群落はこんな具合。手入れの甲斐あって、年々、開花数は増えています。
そして周囲にボサボサ生えている植物、こちらはヒガンバナ科のキツネノカミソリです。
キツネノカミソリは夏に花を咲かせますが、その頃は頭上の木々の葉が繁って林床が
薄暗くなってしまうので、木々の葉が芽吹く前の今のうちに葉だけを広げて光合成を行い、
地下部の球根に養分を蓄えておく習性があります。同じ場所でも、生き方は様々ですね!
カタクリといえば、南大沢駅周辺で配布されている「南大沢かわら版」の最新号の表紙に
カタクリの花で吸蜜するミヤマセセリの写真が掲載されました。この写真は長池公園で
撮影したものです。タマノホシザクラの紹介ページも少し協力させていただきましたので、
宜しければぜひお手に取ってご覧下さい。それから、「広報はちおうじ3月号」ですが、
こちらは多くの方から反響があり、驚きました。気付いて下さってありがとうございます。
昨年度の里山レンジャーズ(八王子市主催の養成講座)での一コマ。お恥ずかしい限りです。