9月4日、昨晩からまとまった雨が降り、少し植物たちは元気を取り戻したでしょうか。
今日は(も)とても地味な植物で恐縮ですが、ある身近なシダ植物を取り上げます。
街路樹の植え込みや、公園の芝生などにひっそりと生えている、ハナヤスリの仲間です。
見た目はとてもシンプルなつくりで、地上からにょきっと伸びた共通柄が2つに分かれ、
ヤスリのような胞子嚢群を付けた棒状の胞子葉と、普通の葉っぱの形をした栄養葉の
2つがセットになっているのが基本型。たいてい、胞子葉は周りの雑草に紛れています。
知らなければ十中八九、その存在に気付く人などいないのではないでしょうか。
それほど地味で目立たない存在ですが、気にしてみれば結構あちこちで見つかります。
多摩ニュータウンで見られる主なハナヤスリの仲間を並べてみました。
順に①コハナヤスリ(②と③の推定雑種)、②ハマハナヤスリ、③コヒロハハナヤスリです。
胞子葉はどれも同じ感じですが、栄養葉の形はバラエティに富んでおり、基部の柄の有無や
流れ方、厚み、長さと幅の比率、最大幅がどこに位置するか、葉脈の二次細脈の有無など、
種を区別するには細かい特徴を見なければなりません。(※厳密には胞子を見る必要あり。)
しかしながら、この街で見られるハナヤスリの仲間のうち、9割以上はコヒロハハナヤスリ
なので、栄養葉が幅のある三角形や円形で短い柄があれば、まず本種とみて良いでしょう。
皆さんも、この不思議なシダ植物、ハナヤスリの仲間をぜひ探してみて下さい。
ちなみに写真のハマハナヤスリは今日、家の近くで10年ぶりくらいに再発見したものです。
この仲間は神出鬼没なところがあるのですが、思いがけず近所で再会できて感激しました。
おまけ。ハマハナヤスリのあったブロックの隙間では、ナガエフタバムグラが開花中。
そして、8月31日の記事で取り上げたテンツキの仲間も、この場所には2種類ありました。
さて、写真は何テンツキと何テンツキでしょう?先日の記事を参考に、レッツトライ!