6月30日、雨上がりの夕空に大きな二重の虹が現れました。SNSにも虹の投稿が並び、多くの
人が目にしたようです。私もヒメハルゼミの大合唱をBGMに、じっくりと堪能しました。
ところで、この日は思わぬ場所でずっと探していた雑草を見つけることができました。
ここからは、大変マニアックな話題となりますので、興味のある方だけどうぞ・・
ある公園で遊んでいると突然の雨。両手に荷物を抱えて慌てて階段を駆け上がります。
そんな時、足元でふと目に入ったのがその雑草でした。もしかしたら・・と思って
1本抜き取ってポケットに入れました。私は、雑草どころではない慌ただしい時に限って、
なぜか面白い(珍しい)ものに出会うというジンクスがあります。トイレを借りに駆け込んだ
コンビニの前でコゴメギクやチャボタイゲキを見つけたり、薬局の待ち時間の散策で
タマザキフタバムグラやコバノニシキソウを発見したりと、枚挙にいとまがありません。
今回もいい予感がして、見逃すわけにはいかなかったのです。あとで見直すと・・ビンゴ!
こちらがその植物、ヒメアメリカアゼナです。北米原産の外来種で、近縁のタケトアゼナや
アゼナとよく似ています。生育情報は少なく、近縁種(特にアゼナの長花柄タイプ)との
誤認も多いため、正確な分布量は不明です。(※webや図鑑でも誤認が多く見られます。)
ともかく謎めいた植物なので、一度、実物を見てみたいという思いを抱いていたのでした。
さて、この仲間は全体無毛のはずですが、抜き取ってきた株の花柄にははっきりと腺毛が!
・・衝撃が走りました。しかし、こういう怪しいものこそ同定には慎重さが求められます。
そこで、結局もう一度出直して観察することにしました。一つ一つのポイントについて、
『FLORA KANAGAWA』や『神奈川県植物誌2018』の記載を参考にしながら確認していきます。
・花柄に腺毛が生える(他種との区別点)
・花柄が苞葉の1.5~3倍と長く、細い(他種との区別点 ※アゼナの長花柄タイプを除く)
・果実の先端が鋭頭(アゼナとの区別点)
・葉には鋸歯があり、葉脈は目立たない(アゼナとの区別点)
・上部の葉は基部が円形の三角形状、下部の葉は基部がくさび型となる(他種との区別点)
以上の特徴から、やはりその正体はヒメアメリカアゼナということで矛盾は無さそうです。
思いが届きました。いつでもどこでも、雑草アンテナを張っておいて良かったな~!
公園内の芝生では、北米原産のアメリカアワゴケという極小雑草も見ることができました。
こちらは詳しい知人から事前に情報を提供していただいていたものです。由木地区では
これまでにアワゴケ(在来種)とナガエアワゴケ(中南米原産)しか確認しておらず、本種は
初記録です。ただし本当に小さい雑草なので、実際には見逃しているだけかもしれません。
アワゴケの仲間について、こちらの記事→アワゴケ (h-yugi.org)で取り上げましたが、
その中での呼びかけが今回の発見に繋がったようです。何でも書いてみるものですね!
・・ということで、今夜は雑草探しの魅力にのめり込む私の独り言をお送りしました。