11月24日、半月ほど前に由木地区内のとある水田を訪ねた際に見つけた植物を紹介します。
水の抜かれた田んぼに点在していた植物は、ミソハギ科の水田雑草、ヒメミソハギです。
水田雑草といっても、絶滅危惧種の予備軍といっても過言ではないくらい、都内では確実に
減少している植物の一つです。長池公園の田んぼにも時々発生しますが、安定して生育が
見られる場所は非常に限られています。遠目には葉っぱしか見えませんが、目を凝らすと
なんと花盛りであることがわかりました。長さ0.5mmほどの淡いピンクの花びらが4枚、
あまりの小ささに、思わず笑ってしまいました!「・・こんなに目立たなくていいの?」
本家のミソハギの花と比べると、“姫”の名も納得ですね。果実も小さくて可愛いです。
ヒメミソハギの減少要因は、水田の減少や耕作放棄、農薬の使用などの環境悪化に加えて、
近縁の外来種が増えたことも影響しているようです。左から順に、ナンゴクヒメミソハギ、
ホソバヒメミソハギ、アメリカキカシグサです。どれもヒメミソハギより大きな花です。
アメリカキカシグサ以外の2種は、すでに由木地区でも各所で見られるようになりました。
これらの外来ミソハギ類については、引き続き今後の動向に注目していきたいと思います。
この田んぼには、ヒメミソハギ以外にも、タウコギ(1~3枚目)やコオニタビラコ(4枚目)、
ヤナギタデ(5枚目)、ヒメミズワラビ、アズマツメクサなどの水田雑草が生育しています。
民有地のため、現在の状態を維持できるかどうか保証はありませんが、希少な水田雑草の
数々をいつまでも楽しめるよう、願うばかりです。(6枚目は吸水に来たヒメアカタテハ。)