2月2日、自然館前で撮った1枚の写真をご覧下さい。
何気ない一コマの中に、気になるポイントがあったので思わず撮ったものです。
気になるポイントを拡大してみます。
そう、この、タライとアスファルトの隙間に生えた“ど根性雑草”です。
葉っぱだけで何という植物かわかったという方は、相当な植物通だと思います。
正体はシソ科のミゾコウジュ。湿地などに生える越年草です。
花期は6月頃で、サルビアに似た小さな紫色の花をいくつも咲かせます。
環境省では準絶滅危惧、東京都では絶滅危惧Ⅱ類にそれぞれ指定されていますが、
由木地区では堀之内、東中野、松木の造成草地や池のほとりなどで自生を確認しています。
自然館で保護栽培しているものは、既に自生地が失われた八王子みなみ野産の個体群です。
それらが中庭の鉢植えからじわじわと逸出し、今となっては自然館周辺の
ブロックの隙間や別の植物のプランター内など、あちこちで見られるようになりました。
ミゾコウジュは、先ほどの写真のような葉を広げた状態で冬越しをし、春に成長します。
葉がシワシワなのは、太陽光を受け止める表面積を増やしているのでしょう。
(そういえば、園芸種のプリムラや渓谷に咲くイワタバコの葉もシワシワですね!)
こうした冬の姿からの連想で、「雪見草」と呼ばれることもあるそうです。
自然館前のあの子も、今年はタライの陰から雪を見ることになるのでしょうか?