3月13日、朝から気温がどんどん上がって、日中は半袖がちょうど良いぽかぽか陽気に!
午前中は調査で片倉方面の緑地を歩いてきました。こんなに暖かいと最高の気分です。
原っぱでは、ホトケノザやオオイヌノフグリ、ナズナ、コハコベなどが一斉に開花中。
暖かさに誘われて、花から花へと忙しく飛び回っていたのはキタテハです。春の到来を
喜んでいるようにすら見えてきます。ミヤマセセリやキタキチョウなども舞っていました。
オオイヌノフグリの花には、脚に花粉団子を付けたセイヨウミツバチがたくさんいました。
この花は、昆虫による送粉が行われなくても自家受粉によって種子を作ることができるの
ですが、虫たちによる花粉の媒介が行われれば、やはりそれに越したことはありません。
虫たちを“夢虫”で追いかけていると、気が付いたら雑草のお花畑の真っ只中にいました。
1~4枚目はホトケノザ、ナズナ、オオイヌノフグリ、5枚目はコハコベ、6枚目はフキです。
虫の目線で草花と対峙すると、幸せな気持ちが込み上げてきます。あぁ、春だなぁって!
雑木林ではスミレの仲間もちらほら咲き始めました。1枚目はアオイスミレ、2・3枚目は
おなじみのタチツボスミレです。落ち葉の隙間に咲くスミレたちとの出会いは格別ですね!
雑木林でもっとも早く開花する草本の一つがスゲの仲間です。細い葉と、茎の赤い斑模様が
特徴のヒメカンスゲは、あちこちで雄花が開花していました。ブラシのような雄小穂を指で
突いてみると、煙のように花粉が飛散しました。そう、彼らの送粉は風まかせなんですね!
あるお寺の後背に広がる鬱蒼としたスギ林に立ち寄りました。ここは非常に湿度が高く、
谷全体にシダ植物が繁茂しています。2023年1月、この谷の古い石壁にクリハランという
都内では大変珍しいシダが着生しているのを発見しました。まだちゃんと健在で一安心。
私にとって、南多摩エリアに自生する絶滅危惧植物のモニタリングはライフワークの
ようなものですが、とても全部は追い切れません。最近は「何かのついで」になってしまう
ことが多いのですが、それでも定期的に生育状況を確認しておくが大切だと思っています。
春爛漫の里山を満喫し、希少種の現存も確認できて、心が満たされたぽかぽか日和でした。