11月14日、専門学校東京テクニカルカレッジの自然環境保全実習(現地2回目)を長池公園で
実施しました。この日のメニュー、午前中は雑木林の手入れとしてタマノカンアオイ群落の
選択的草刈りと個体数調査の続きを行いました。学生さんたちの作業の様子を見守りながら
自らもカマを振っていると、足元からぴょんっと飛び出す生きものの姿が目に入りました。
見事な擬態で見失いそうになりましたが、正体を追うと可愛らしいヤマアカガエルでした。
産卵の時期には田んぼや水たまりで見かける彼らも、普段は水辺から少し離れた雑木林の
笹藪で出会うことがほとんどです。大人になってからどんな暮らしを送っているのかは、
案外よく知りません。いずれにしても、もう11月の半ばですから、そろそろ冬眠に入る
頃ではないでしょうか。一般的に、カエルは土に潜って冬眠する種類が多いようです。
しかしながら、アカガエルの仲間は水底の石の下などに潜り込んで寝るのだそうです。
私は普段、あまり水中の生きものを観察しないのですが、寝姿を見てみたくなりました。
これから眠りに付こうとする生きものがいる一方で、返り咲きする草花を見つけました。
本来は春に開花するタチツボスミレです。春や初夏に咲くはずの花が秋に返り咲きする
現象は珍しくありませんが、今年は桜をはじめ、多くの草木の返り咲きが目立ちますね!
さて、実習に話を戻しましょう。午後は場所を変えて、竹林の管理と活用を実践しました。
竹林の維持管理や放置竹林の再生、雑木林に侵入した竹の抑制などは、里山の手入れでは
必要不可欠なスキルであり、生物多様性保全上も重要な作業項目といえます。さらには
伐り出した竹を使って様々なアイディアを構想し、モノづくりを行う体験は、里山資源の
活用と物質循環を考え、味わうのに好都合です。竹材加工作業はタイムオーバーで次回に
持ち越しとなりましたが、皆さんの創意工夫に期待したいと思います。(また紹介します。)
おまけ。今年も築池に人慣れしたキンクロハジロ(雄)が渡ってきました。自然館スタッフが
撮影した写真をお借りして掲載します。この目つきと寝ぐせ頭がたまらないんですよね!