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アケビコノハと松が谷の動植物

7月5日、17時のチャイムが鳴り、スタッフが自然館の閉館作業に取り掛かっていたところ、

会議室の窓辺で面白い芋虫が発見されました。昨年、このブログにも登場していますが、

アケビコノハという蛾の幼虫です。独特のフォルムと目玉模様がとても印象的な姿ですね!

名前の通り、アケビやミツバアケビの葉を食べるのが普通だと思っていましたが、ここは

会議室前に緑のカーテンとして蔓延っているコウモリカズラの繁み。そこで改めて食草を

調べると、コウモリカズラやアオツヅラフジなども食草として名を連ねていたのでした。

東京ではコウモリカズラ自体が滅多に見ることのない植物なので、この組み合わせはレア?

・・観察に夢中になるあまり、手元の空調の部品を壊してしまいました。ごめんなさい!!

ところでこの日は午後から巡回当番で松が谷方面の公園緑地を廻りました。梅雨時の

松が谷は隠れた見どころが多く、それらもチェックしてきましたので少しご紹介します。

まずは、大塚西公園の雑木林で見られるトンボの話題。写真はマユタテアカネです。

先日も書いたとおり、羽化を終えた水辺から、樹林内へ続々と移動してきています。

この場所は池からの距離が近いこともあり、数十匹がササの上を飛び回っていました。

額に黒い“眉”のような斑紋があることや、胸の側面に目立ったラインが見られないことが

マユタテアカネの特徴です。翅の先は黒い帯があるタイプと無いタイプの両方がいます。

マユタテアカネの群れに混ざって、ゆっくりドローンのように移動していたのはこちら。

キイトトンボです。大塚西公園や東中野公園の池で繁殖しており、時折姿を見かけます。

バッタリ遭遇したパーキッズのKくん親子と一緒に森のトンボ観察を楽しみました。

いせまいり公園には、今年もツクツクボウシタケが発生していました。その名のとおり、

ツクツクボウシの幼虫から生える冬虫夏草の一種で、梅雨から盛夏にかけて見つかります。

発生ピークはもう少し先なので、その頃にまた掘り出してみたいと目論んでいます。

傘平緑地の外周歩道沿いでは、外来イネ科雑草のニコゲヌカキビがますます勢力を拡大中。

大塚公園などにも群生していますが、松が谷周辺エリア以外ではまだ見ていません。

こちらは、三本松緑地に面した遊歩道沿いに群生しているハエドクソウという植物です。

多摩ニュータウン界隈では、近縁のナガバハエドクソウが圧倒的に多く、ハエドクソウは

滅多に見ません。前者は暖帯性、後者は温帯性という地理的な住み分けがあるようです。

この両者は、葉の幅や長さの違い以外に、葉柄の長さ、葉基部の形、葉の付き方、花期、

花の形状(ハエドクソウは2つに裂けた上唇の基部が肩状に突出する)などにも相違があり、

見慣れれば一目で区別できます。まずは身近なナガバハエドクソウを観察してみて下さい。

「ここにもハエドクソウがあるよ~」といった情報がありましたら、宜しくお願いします!

最後は二度目の登場となるこちら。乳母ヶ谷公園の通称(?)“小便器トラップ”です。

このトイレ、時代を感じさせるかなりオープンな設計となっているからか、夜間の灯りに

導かれて多くの昆虫が集まってきます。そして最終的に小便器に落ちて抜け出せなくなった

昆虫たちが死んでいたり、もがいていたりします。写真はクロカミキリとニイニイゼミ。

こんな形で不憫ですが、公園に生息する昆虫を調べるのには重要な手がかりとなります。

時にカブトムシやクワガタが入っていることもあるので、男性の方は要チェックです。

・・と、ここまででだいぶ長くなってしまいました。職場体験前半戦最終日の様子は

また明日のブログで改めて紹介したいと思います。中学生たちの雄姿をお楽しみに!

おまけ。来館者が持ってきて下さったヘビトンボと中学生が採取してくれたヒシの実です。


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