2月26日、先週21日の緑地作業中にエナガの巣が落ちているのを見つけました。
野鳥の古巣を拾うのは珍しいことではなく、特にエナガの古巣は毎年どこかで拾います。
しかし今回は事情が違い、落ちていたのは完成間近か出来立てほやほやの新しい巣でした。
エナガは、他の小鳥よりも早い2月から巣作りを始め、まだ寒いうちから抱卵に入ります。
これからという時に、不運にも、風雨など何らかの要因で巣が落ちてしまったのでしょう。
それにしても、エナガの巣は驚くほど巧妙なつくりをしています。
まず、太い枝の分かれ目などに、集めてきたコケを積み上げてドーム型の外装を作ります。
それだけでは崩れて形にならないので、ガの繭やクモの巣から糸を調達し、
嘴と足を使って器用に縫い込んでいきます。
最後に内装として羽毛や裂いた杉の皮を運び込み、中に敷き詰めてようやく完成です。
内装に羽毛を使うのは、寒いうちから子育てを行うために重要な断熱加工なのです。
以前、パークキッズレンジャーの活動で、エナガの古巣を解体して調べたことがあります。
内装に使われていた羽毛は、ムクドリ(尾羽)、モズ(風切羽)、アオジ(風切羽)、
メジロ(風切羽・体羽)、ウグイス(尾羽)、コジュケイ(体羽)、キジバト(体羽)などでした。
1つの巣に、少なくとも7種類以上の野鳥の羽を拾い集めて使っていたのです。
鳥の羽集めに凝っていた子が、「私よりも羽を探すのがうまいね!」と言っていました。
さて、冒頭の使用前に落ちてしまったエナガの巣を前にして、哀れんでいると・・
私のすぐ後ろを「ジュルリジュルリ」と鳴きながら、1羽のエナガが通過していきました。
その顔をよく見ると、嘴にしっかりと羽毛を咥えているではないですか!
“私たちに、失敗を気にしている時間なんて無いんだよ!”とばかりに、こちらをチラ見。
なんだか、子育て中の私のほうが背中を押された気がしたのでした。