5月23日、午前中は大栗川流域の民有地の調査、午後からは小学校の授業対応でした。
調査地は年に一回、大学生などと協働で手入れのお手伝いをしていることもあって、
これまでに何度も足を運んでいる場所ですが、本格的な調査を行ったのは初めてです。
いつもとは違う目線で植物の記録をとっていくと、アオカモジグサなどの雑草に紛れて
見慣れないイネ科植物の一群が目に入りました。第一小花に長い芒・・これはもしや!
正体は、初めて見るチョロギガヤという外来植物でした。ヨーロッパ原産、牧草由来で
全国に帰化しているようですが、八王子では古い記録があるだけの珍しい種類です。
※ブログ掲載当初はオオカニツリとしていましたが、根茎がチョロギ状となる変種の
チョロギガヤであることが、後日現地で採取された方からの情報提供で判明しました。
調査仕事は、時々こうした予期せぬ発見が待ち受けています。やりがいの一つですね!
植物調査ではいつもよりさらに目を皿のようにして歩くので、こんな出会いもあります笑。
五つ葉のクローバーと四つ葉のクローバー。探していなくても、視界に飛び込んできます。
薄暗い樹林下でひと際目立っていたのはアカショウマです。花の少ないこの時期、多いのは
藪蚊ばかり。調査でも無い限りあまり歩く機会は無いでしょう。誰の目にも触れることなく
こんなに美しい花が咲いているかと思うと、森の中の散策も捨てたものではありません。
こちらは林床を這っていたツルマサキです。アリは花の在り処を見つける達人ですね!
ここは周囲の樹木を伐採してそのチップが撒かれた一角。昨年までは花を咲かせた個体を
見た記憶がないので、日当たりが良くなったことで一斉に花芽を付けて開花したようです。
その他、湿った林縁ではヤブスゲ、タラノキ畑ではセンノカミキリなどを見つけました。
所変わって、午後の別所小学校おおぞら学級プログラムの様子です。今年度は野鳥観察を
メインテーマとして毎月の校外授業を担当しています。初回は目と耳を使って野鳥を探す
練習と図鑑の使い方レクチャーを行いましたが、今回は双眼鏡を配布し、見つけた野鳥を
じっくり観察することにしました。全部で8種類の野鳥を発見。特にガビチョウは、全員が
見える位置でさえずってくれました。ナイスパフォーマンスに今日ばかりは感謝します笑。
夕方、里山トイレの鍵閉め時に出会った動植物です。自然館前のエビヅルの葉上にいた
アカガネサルハムシ、オカトラノオの葉上に止まっていたコブクチブトサルゾウムシ、
築池と田んぼの間で実っていたクマヤナギ。・・エビ、サル、トラ、サル、ゾウ、クマ。
これを書きながら、偶然にも、動物の名前がたくさん隠れていることに気付いたのでした!