5月10日、各地の林縁でシソ科のオカタツナミソウが見頃を迎えています。
タツナミソウの仲間のうち、この辺りではもっとも普通に見られる種類です。
とはいっても、東京都(南多摩)では準絶滅危惧種に指定されており、油断はできません。
雑木林の乾燥化や訪花昆虫の減少などによって、じわじわと数を減らしているのです。
日本の固有種でもある本種が、いつまでも身近な存在であってほしいと願うばかりですね。
なお、他のタツナミソウ類との見分けのポイントは、花が同じ高さにまとまって咲く点、
茎の上の方に集まって付く葉が特に大きくなる点、茎に下向きの毛が生える点などです。
さて、今日は堀之内沖ノ谷戸公園でマスターズプログラムの活動を実施しました。
作業内容は、昨年度から柵で囲いをして保護に努めてきたクチナシグサ群落の草刈りです。
今シーズンも、足の踏み場も無いほどのクチナシグサが発生して楽しませてくれました。
花期も終盤となり、伸びてきた周囲の雑草を選択的に刈り取っておくことにしました。
このようなケースでは、多少の手間はかかっても手作業での草刈りが適しています。
クチナシグサはもちろん、モエギスゲ、ジュウニヒトエ、ヒメヨモギ、ヤマユリなども
うまく刈り残すことができました。柵外は“芝生”としての管理、つまり、芝刈機を入れて
一掃してしまいますので、作業後はこの区画内だけが野草のオアシスとなるでしょう。
写真1枚目が作業前、2枚目が作業後。3枚目の赤っぽいものは地を這うクチナシグサです。
植生をより豊かに維持向上するための草刈りは、やりがいと期待に満ちた作業ですね!