9月1日、先日に続いて山梨へ用事があり車を走らせました。午前中、長池公園に立ち寄り、
小雨降る中、芝生広場の一角に咲き残っていたサガミランの花を愛でてきました。
やや盛りを過ぎていますが、まだ咲いていてくれました。到着すると先客が花の前に
しゃがみ込んで撮影していました。顔を覗き込むとびっくり!以前からお世話になって
いる植物写真家のTさんでした。思わぬ形での再会となりましたが話に花が咲きました。
先日は笛吹川を歩いてみましたが、その支流、重川の河川敷がとても面白そうだったので
この日は車を停めて30分ほど散策しました。やはり多様な湿生植物が出迎えてくれました。
まず目に入ったのは大きなカヤツリグサ科の植物、ヌマガヤツリです。多摩川の中州でも
目にしますが、ここには数えきれないほど多くの個体が群生していました。成長するにつれ
小穂の形がモコモコになっていく過程が面白く、様々な段階のものが観察できました。
上の写真は6枚すべてヌマガヤツリなのですが、1枚目と5枚目とではまるで別人ですよね!
攪乱されたような湿地によく見られるアオガヤツリやクグガヤツリも生育していました。
3枚目は堤防草地に点々と穂を伸ばしていた外来雑草、ショクヨウガヤツリです。
カヤツリグサ科の植物はパッと見どれも同じに見えるかもしれませんが、種ごとに性質が
違っていて、好む環境や生え方の違いがわかるようになると本当に面白い観察対象です。
川原のアサガオ三兄弟。順にベニバナマメアサガオ、マメアサガオ、マルバルコウです。
まるでスタンプのような小さな花が愛らしく、どれも外来種とはいえ贔屓目になりがち・・
その他の動植物は写真のみのご紹介。ヤブツルアズキ、ヒメマツバボタン、ニシキソウ、
コツブキンエノコロ(双子)、キマダラセセリ、ミヤマアカネです。楽しい河川敷でした!
中州へ渡ろうと小さな流れをジャンプで跳び越え、着地した瞬間に足もとからアゲハたちが
湧き出てくるように飛び立ち、私の周りをしばらく群れで飛び回る出来事がありました。
どうやら私が着地した場所は吸水スポットだったようです。その数、全部で20頭あまり。
少し離れたところから動画を撮ってみました。ブレブレですみません。ナミアゲハの中に
一回り大きなキアゲハも混ざっています。集団吸水を行うアゲハのほとんどは雄だそうで、
アンモニアを窒素源として摂取することで、筋肉や精子の生産に役立てているのだとか。
もちろん吸水する理由は他にもあるとは思いますが、広島大学のグループの研究では、
繁殖の成功度を高めるための重要な生態行動と証明されており、とても興味深いですね!
チョウたちに囲まれながらの植物観察。ほんの短い時間でしたが至福のひとときでした。
しかし、この場所での観察エピソードには思いもよらない続きがあったのです。続く・・