9月12日、長池公園の特別保全ゾーン内で鳥類標識調査(バンディング)が行われました。
事情により間が空いてしまいましたが、2016年から続けられている野鳥の捕獲調査です。
※調査についてはこちらをご参照下さい→鳥類標識調査(バンディング) (h-yugi.org)
今日の調査では、園内では初捕獲となるセンダイムシクイが放鳥されました!
頭のてっぺんを一本の白い筋(頭央線)が貫いている点が、他のムシクイ類との違いです。
センダイムシクイは、毎年5月連休の前後に長池公園でも観察される渡り鳥(夏鳥)です。
繁殖地はもっと山のほうなので、丘陵地で真夏に見ることはありません。
今回確認された個体は、山での繁殖を終え、帰路の途中に立ち寄ったということでしょう。
初夏はさえずりでその存在に気付くことができますが、秋の渡りではあまり鳴かないのか、
これまでに確認されていませんでした。他の夏鳥よりも一足早い今の時期に、長池公園を
通過していることがわかったので、これからは意識して観察してみたいと思います。
体重10.68g。この軽くて小さな体で、海を越え、渡りを繰り返しているなんて凄いですね!
その他では、メジロ、ヤマガラ、ガビチョウなど、おなじみの顔ぶれが放鳥されました。
ヤマガラのうちの1羽は再々捕獲、つまりこの場所での放鳥が3回目の子だそうです。
2回目以降の子にはすでに足環が付いています。大きな移動をしないのかもしれません。
バンダーのお二人は野鳥の識別や生態についてとてもお詳しく、私はいつも口をぽかんと
開けて説明を伺っています。野外での観察から、性別や年齢など個体ごとの判別を行うのは
とても困難です。特に身近でたくさん見られる種類こそ、まだまだわからないことばかり。
鳥類標識調査は、双眼鏡での観察では得られない、より細かい部分を見ることができます。
それはまるで、植物の細部をルーペで覗き、新たな世界を知る、あの感覚と似ています。
今後の観察がいっそう楽しみになる、貴重な調査の現場に立ち会わせてもらい、感謝です。