11月7日、長池公園では専門学校東京テクニカルカレッジの自然環境保全実習がスタート。
12月にかけて、毎週木曜日は学生さんたちが様々な保全活動や環境教育に取り組みます。
実習の様子は後半で紹介することとして、実習の合間に見に行ってきた野花を紹介します。
第一デッキの対岸、立っているのがやっとの急斜面の中腹の笹藪の中に、オヤマボクチと
リンドウの自生地があります。現在、園内で見られるこれらの花は、このような容易に
近付けない藪の中に自生していた個体を見やすい場所へ移植したり、種子を播種したりして
保護しているものです。保護個体が元気に咲いてほしいのはもちろんですが、それとは別に
おおもとの自生地の状況も時々チェックしに行って、周囲の手入れを行っているのです。
急斜面を藪漕ぎしながら、ずり落ちるようにして辿り着くと、オヤマボクチもリンドウも
健在で開花(リンドウは蕾)していました。ただ、落枝が多数発生しており、決して良い
状況とはいえません。来年も咲いてくれるように、ほんの少し手入れをしておきました。
雑木林の一角では、コウヤボウキが咲いていました。アザミやコウヤボウキの花によくいる
クチナガガガンボが一生懸命、吸蜜しています。森の中で、ちゃんと見つけるんですねぇ!
さて、冒頭に書いたとおり、学生さんたちの実習の様子を紹介します。この日は午前中に
座学とセンサーカメラの設置、午後からは雑木林トレイル内のタマノカンアオイ群落で
モニタリング調査を実施しました。毎年の実習でマーキング、個体数カウント、健康状態の
判定(葉の枚数や大きさの記録)、株周りのササ刈りなどを継続的に行っており、恒例の
作業となっています。今年は例年と比べてササの繁茂と落枝の発生が著しく、カウントと
同時並行で林床整備を進めなければなりませんでした。刈る人、数える人、記録する人と、
うまく役割分担して頑張ってくれました。続きの作業は次回に持ち越しとなりましたが、
笹藪地獄から抜け出して、生き生きと葉を広げるタマノカンアオイの姿に安堵しました。
来週以降も、学生さんたちの活躍が楽しみです!皆さんも温かい目で見守って下さいね。
おまけ。南大沢駅周辺の商業施設などで配布されている「南大沢かわら版(11月号)」の
製作に協力しました。自然館にもしばらく配架していますので、宜しければご覧下さい。