4月15日、雨降りな一日でした。しばらくお天気が続いたので、恵みの雨といえますね。
外からは、シュレーゲルアオガエルの「キュルルル」という元気な声が聴こえてきます。
ここ2週間ほど、自宅にいても自然館にいてもシュレーゲルアオガエルの声がBGMなので、
イカルのささやき鳴きや、自然館の自動ドアが開く際のセンサー音までもが
全部カエルの声に聴こえてしまって、ちょっとカエル過敏になりつつあります。
カエルとは関係ありませんが、この時期、様々な花で目にする小さな緑色の昆虫がいます。
一見するとバッタのよう。しかし、触角が体よりもずっと長いのでバッタではありません。
キリギリスの仲間、ヤブキリです。ヤブキリは肉食性なので、他の昆虫などを食べます。
ところが、幼虫の頃は植物性タンパク質を含む花びらや花粉を食べて育ちます。
可愛い盛りのヤブキリたちが花の上に乗っているのは、そうした理由からなのです。
上の写真は、まだ開いていないヒラドツツジの蕾にしがみ付くヤブキリの幼虫ですが、
実はこの子、窮地に立たされています。この状態でびくとも動けなくなってしまいました。
どういうことかというと、ヒラドツツジの蕾は、触ってみるととてもベトベトします。
これは腺点から分泌される粘液によるもので、花の下にある苞という茶色い部分に
虫などが触れるとくっついてしまう、いわば“ゴキブリホイホイ”のような仕組みです。
まだ咲いていないうちから花ごと食べられてしまったり、花粉を盗まれてしまったりする
ようなことがあると、虫たちに花粉を運んでもらいたいツツジ的には、怒り心頭のはず。
そこで、そんな不届き者からの被害を防ぐために粘着トラップを仕掛けているのでしょう。
ツツジのトラップで動けなくなった昆虫たちは、そこかしこで見ることができます。
気の毒と思いつつ、ツツジの蕾を見る度に、ついつい被害者を探してしまう私なのでした。