1月19日、八王子市の委員会に出席するため、教育センターまで出張してきました。
個人的には、今年度、精力的に取り組んできた民有緑地の環境調査と人材育成について
その成果を初めて公の場で発表する機会となり、大きな仕事を一つ終えた感があります。
出張からの帰り道、所用で浅川河川敷に立ち寄ってきました。ここは鳥たちの宝庫です。
中州には、クイナ、タシギ、イカルチドリ、チョウゲンボウ、カシラダカなどがいました。
しかしいずれも距離があって、近付いたところで飛ばれてしまうなど、写真は思うように
撮れませんでした。やはり河川敷に棲む鳥たちは警戒心が強く、身一つで近付こうとする
身長178cmの巨大二足歩行生物は“得体の知れない外敵”にしか見えないのでしょう。
ところが面白いことに、長池公園に戻ると、アオジが向こうから近付いてきました。
以前もご紹介したことがある、全然逃げないあの子です。浅川にもアオジはいましたが、
すぐに飛んで茂みへ逃げ込んでしまいました。同じ種類なのに警戒心がまるで違うのです。
人が近付いた時に警戒して飛び立ってしまうまでの最短距離を「フライトディスタンス」と
呼びます。警戒距離という言い方もあります。長池公園の逃げないアオジが飛び立つまでの
フライトディスタンスを、レンズの最短焦点距離と階段の段数を使って調べてみました。
驚愕の50cmでした。一緒にいた仲間のアオジは3mで飛び立ってしまったので、この子だけが
特別に恐れ知らずということもあるかもしれませんが、その後に出会ったコジュケイにしろ
他の地上性の小鳥にしろ、やはり河川敷の鳥たちと比べると長池公園の鳥たちははるかに
フライトディスタンスが短く感じます。人が近くを通ることに慣れているからでしょうか?
こちらが3mの距離で飛び去ってしまったまともな(?)アオジです。それでも近いですが・・
コジュケイは6mくらいの位置を歩いていました。体が大きいのでこの距離でも十分に
表情や模様を観察することができます。第二デッキにいたシロハラ。この中ではダントツで
警戒心が強く、20mくらいで逃げられてしまいました。そういう臆病な鳥は、向こうから
近付いてきてくれることを期待して、動かずにじっと待つのがベストな観察方法ですね。
私は小学校の野鳥観察の授業を長年担当していますが、100人以上の生徒が一斉に野鳥を
観察すると、必ず何人かは近くで見ようとしてどんどん鳥に近付いていってしまいます。
でも私はそれを強く注意したりしません。フライトディスタンスについて身を持って学ぶ
良い機会だからです。これくらい近付くと野鳥を驚かせてしまう、これくらいなら大丈夫と
いう距離感は、何度も鳥を飛ばして後悔したり、顰蹙を買ったりしてきたからこそ、私も
身に付いてきました。もっとよく見たいという欲求は、野鳥への興味関心の表れであり、
大事にしたい気持ちでもありますので、ここは一つぐっと我慢して、鳥たちと子どもたちの
間で繰り広げられる駆け引きを見守ることにしているのです。(※写真はイカルチドリ。)