3月4日、長池公園自然館のレジ横に陳列されている“カゴ”をご存じでしょうか?
これらは里山に自生するシノダケ(アズマネザサやメダケなどのササ類)を使って
作られる「メカイ」と呼ばれるもので、東京の南多摩で受け継がれてきた手仕事です。
江戸時代から昭和前半まで、当地の農家が冬の農閑期に大量生産し、日常生活用具として
のみならず、都市部の商店へ出荷・販売も行うなど、重要な収入源にしていたそうです。
自然館では、このメカイ製作技術を伝承する市民団体の一つ、「八王子由木メカイの会」が
製作したメカイを販売しています。また、同団体は公園アドプト団体にも登録しており、
公園内のシノダケを刈り取ってメカイの製作に活用しています。
先月15日、「南多摩のメカイ製作技術」が東京都の無形民俗文化財(民俗技術)に指定され、
多摩めかいの会とともに、八王子由木メカイの会がその保存団体として認定されました。
由木を代表する伝統文化、メカイ。文化財指定を契機として、メカイへの関心が高まり、
その製作技術も広く受け継がれていくことを願っています!
今日のおまけ。買い物に出かけたショッピングモールの広場で、面白い虫を見つけました。
フユシャク(冬に見られるガの仲間)の一種、ヒロバフユエダシャクのメスです。
この仲間はメスの翅が退化しているのが特徴で、本種には、飾り程度の短い翅があります。
出現時期は遅いほうで、主に早春が発生のピーク。まさに今頃ですね。
ちなみにヒロバは「翅が広い」という意味で、「広場」ではありませんのであしからず笑。