5月26日、下柚木小学校にある学校林を活用した授業の出張講師に出かけてきました。
ニュータウンの団地に囲まれた立地でありながら、開発前に広がっていた雑木林の景観が
学校林として残され、保護者を中心とするボランティアの手で維持・活用されています。
私も数回訪れていますが、その度に思わずハッとする発見のある素敵なフィールドです。
初夏の学校林は初めてだったので、子どもたちよりも私のほうがずっとワクワク・・
動植物との出会いに期待を膨らませつつ、元気いっぱいの5年生28人といざ出発です!
順番が前後しますが、足もとに何気なく咲いていた愛らしいこの花は、ウメガサソウです。
近年、増加傾向にある植物とはいえ、こんなお宝が学校の敷地内にあるなんて凄いこと。
そのそばには、“ユウレイタケ”とも呼ばれるギンリョウソウがあっちにもこっちにも!
この時期ならではの花としては、ナルコユリがちょうど花盛りでした。豊かだなぁ・・!
そして、学校林には野生動物も生息しています。アナグマの巣穴やタヌキの食痕、
モグラの塚などが見つかりました。アナグマが巣穴を掘る際に、掘り返した土を前脚で
押し出した溝跡(アクセストレンチ)と足跡がくっきり残されていましたよ!
植物の多様性もさることながら、昆虫も凄い!子どもたちが率先して見つけてくれました。
左上から順に、ミズイロオナガシジミ、ムネクリイロボタル、キスジトラカミキリ、
トゲヒゲトラカミキリ、ハイイロヒラタチビタマムシ、ドウガネヒラタコメツキ、
クロヒラタカメムシ、ムラサキシラホシカメムシです。これでもほんの一部にすぎません。
もちろん、みんながみんな、虫好きというわけではなく、苦手な子ども(大人)もいます。
この虫なら大丈夫かな?と小さなゾウムシや穏やかなムーアシロホシテントウをカップに
入れ、遠くから見てもらったりしているうちに、こわばっていた表情がみるみる輝きに
変わっていったのがとても印象的でした。また、歩き始めてすぐにアリの大群に出会って
「キャーきもい!」と一斉に騒ぐ一幕があったので、「気持ち悪いと思ったら、きもい!
じゃなくて、愛してる!に言いかえてごらん?」とおもしろ半分で提案してみました。
“ゲテモノ”が見つける度にあちこちから「愛してる!」が聞こえてくるものだから、
なんだか意外と大丈夫な感じがしてきて、終盤はそんなルールもどうでも良くなり、
もっともっと豊かな表現ができるようになっていました。言葉は意識も変えるのです。
保護者ボランティアの方々や先生も、子どもへの語りかけがとっても優しく、一人一人が
自然と仲良くなるための一歩を安心して踏み出すことができたのではないでしょうか。
午後からは自然環境調査の仕事で市内北部の緑地へ出かけていたのですが、
カメラのSDカードを事務所に置き忘れて撮影ができませんでした・・とほほ。
ちなみに前回は財布を忘れました。失敗ばかりなので、次は何を忘れるのか楽しみですね!