9月16日、長池公園では少しずつ秋の草花が咲き揃ってきました。珍しい種類でなくても、
毎年見たくなる、咲き始めるとほっとする、そんなラインナップを紹介したいと思います。
この花は何でしょう?一見すると、ソバの花なんかに似ています。それもそのはず、ソバと
同じタデ科の植物です。正解は、道ばたなどでごく普通に見られるイタドリの花でした!
“すかんぽ”の別名のほうが一般的かもしれません。じつは花はこんなに繊細なのです。
アザミの仲間が咲き始めています。もっとも多く見られるノハラアザミのほかに、写真の
ハチオウジアザミ(自然館中庭に植栽)、タイアザミ(園内各所に生育)、アズマヤマアザミ
(ながいけの道に生育)などもこれからが見頃です。花や総苞の違いを比べてみましょう。
こちらは園路沿いの各所で見られるカラスノゴマです。黄色い花は下を向いて咲くので
見逃してしまいそうですが、まるで扇風機の羽のように渦を巻いているのが特徴的です。
ところで、ながいけの道を往復する間に、数十匹のナミアゲハと遭遇しました。長池公園で
一度にこんなに多くの個体を見かけたのは初めてかもしれません。ナミアゲハがこれほど
数多く発生している要因は何でしょうか。ナミアゲハと同じ傾向がカラスアゲハなどでも
見られることなどから、幼虫の食草であるサンショウの仲間の増加が関係していそうです。
ここ数年、ナラ枯れ木の伐採が雑木林内の各所で行われてきたことで、空間的なギャップが
あちこちに生じており、そうした場所では特に、パイオニア的性質を持ったサンショウや
カラスザンショウの実生が大発生していることがあります。このことがアゲハ類の繁殖を
促進し、園内での個体数増加に繋がったのではないでしょうか。今後の動向に注目です!