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夜の渡り鳥とシリブカガシ

11月2日、夜に渡りを行う小鳥たちの声(フライトコール)が盛んに聴こえてくる晩でした。

中でも、マミチャジナイという旅鳥のフライトコールは30分くらいの間に何回も聴こえて

きて、かなりの数がこの街の上空を通過していることがわかります。日中、羽を休めている

姿を見ることは稀なので、大半は夜のうちに通過してしまって、よほどのことがない限り、

由木地区周辺の緑地に立ち寄ることはないのでしょう。フライトコールを聴き分けられる

ようになるためには、何度も繰り返し小鳥の地鳴きを聴いて耳を鍛える必要がありますが、

夜のベランダで野鳥観察を楽しむことができ、しかも予想以上に多くの渡り鳥がこの街を

通過していることに感動します。皆さんもぜひ、秋は夜空に耳を傾けてみて下さいね!

さて、先日の鹿島・松が谷散策の続きです。松が谷遊歩道沿いにシリブカガシという少し

珍しいドングリの木が植栽されています。カシという名前ですが、マテバシイと同じ属で

ドングリの付き方もよく似ています。マテバシイが細長いのに対し、こちらは丸っこい

フォルムです。マテバシイ属は世界に100種類以上あり、シリブカガシとマテバシイだけが

日本に分布しているそうです。それ以外の種類は東南アジアの熱帯~亜熱帯地域が分布の

中心なので、属全体で見れば、より北へと分布を広げた異端児たちということになります。

ところでこのドングリ、実は今年咲いた花がその年のうちに実ったものではありません。

マテバシイ属のドングリは、開花した翌年の秋、つまり1年以上経ってからやっと実を

付けるのが特徴なのです。そしてこれらのドングリが落ちたあとは、すぐには発芽せず、

翌年の春に芽が出てきます。時間感覚が壮大で、継続的に観察してみたくなりますね!

おまけ。子どもたちが拾い集めてきたクヌギのドングリです!自然館に寄贈しました。

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