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新治里山の植物

9月18日、講師の仕事で横浜市緑区にある広大な緑地、新治市民の森へ出かけてきました。

2018年にもこの講座で全く同じコースを歩いていますが、もはや遠い昔の記憶です。

十日市場駅から里山までの道のりは新しいマンションやお店ができており、様子は一変。

新しい街ならではの外来雑草や綺麗に緑化された道ばたの生き物観察に夢中になりました。

お昼前にようやく谷戸田に到着。新治の代名詞ともいえる農の景観です。田んぼに面した

土手の草地はNPO法人新治里山「わ」を広げる会と地元ボランティア団体、そして横浜市の

協働によって、きめ細やかな見守り、調査、草刈りが続けられてきたのだといいます。

土手には、重要植物のスズサイコやヒトツバハギもしっかりマーキングされて健在でした。

花期を終えたスズサイコは、言われなければ気付かないほど地味な姿ですが、稲穂を

バックに浮かび上がったシルエットを見て息を呑みました。水墨画のような美しさです。

茎の節々から対に伸びた葉は、まるで小鳥やトンボが飛び交っているようにも見えます。

周囲にはツリガネニンジン、ナンテンハギ、アキカラマツ、コバノカモメヅル、ツルボ、

フォッサマグナ要素のヤブムグラなどが咲いていました。継続的な草刈りにより維持される

土手草地は、草地性の里山植物にとって居心地の良いホットスポットとなっているのです。

観察する私たちも、管理する皆さんのご尽力に感謝しつつ、大切に見守りたいものですね。

暑さに耐えかねて里山交流センターへ駆け込むと、親切なスタッフの皆さんに出迎えられ、

旧奥津邸を案内して下さり、快適な昼食タイムとなりました。おもてなしが素晴らしい!

本棚に目をやると、なんとありがたいことに長池公園の資料もしっかりファイリングされて

いて驚きました。里山の管理者どうし、今後も情報交流を続けていきたいと思います。

あまり写真は撮っていなかったのですが、出会った生き物たちです。順にエグリグンバイ、

マユタテアカネ、アキアカネ、シロヘリクチブトカメムシ、ヒメホシカメムシです。

季節が進み、甲虫よりもトンボやカメムシを見る機会が増えたような感じがしますね。

6枚目は旧奥津邸の庭に生えていたタチクラマゴケです。コケそっくりのシダ植物。

昼食後は、無理せず里山公園周辺をゆっくり散策してから駅へと戻り、解散となりました。

風が無くとにかく蒸し暑い一日でしたが、無事に終えられて心底ほっとしたのでした。


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