3月13日、日中は久々の雨。この時期の雨は“木の芽おこし”と呼ばれることがあります。
偶然にも、昨日は芽吹きを取り上げましたが、まさにそれを後押しする恵みの雨でした。
午後は雨が上がったので、サクラの咲き具合を見ようと思って外に出ました。
ちょっとのつもりが、気が付くと長池公園を一周旅行してしまいましたので、
今日は現在の園内の様子や見どころポイントを、たっぷりご紹介したいと思います。
まずは自然館中庭に地植えされたレンプクソウ。サイコロ状に5輪の花を咲かせています。
ジロボウエンゴサクの花も躍っていました。スミレの太郎坊に対してこちらは次郎坊。
廊下の窓越しに見える大輪の花は、なんとあのアーモンドです。今年も元気に咲きました。
自然館を出ると、満開のコブシがお出迎え。花びらを咥えたヒヨドリが顔を出しました。
アセビの花も鈴なりです。中にはピンク色の花もあり、“アケボノアセビ”と呼ばれます。
駐車場へ向かう道端では、先日紹介したフッキソウやバイモがだいぶ咲き進んでいました。
そして、芽吹きつつある青葉との対比が美しい黄色い花は、中国原産のシナレンギョウ。
地域外保全に取り組んでいるヤブザクラ(1枚目)とタマノホシザクラ(2・3枚目)も見頃に。
双方よく似ていますが、ヤブザクラは開花がやや早く、花はしっかりと開いて咲きます。
花に手を伸ばして萼片のラインや形状を見比べてみれば、両者の違いは歴然でしょう。
築池に降りると、9羽のトモエガモが水面に浮かんで休んでいました。
そろそろお別れの日も近いはずです。今年も多くの来園者の目を楽しませてくれました。
つくいけの道から里山方面へ向かう途中、ツチグリ(きのこ)が綺麗に開いていました。
雨が降ると写真のように開いて、中央にある小さな穴から胞子を飛散するのです。
田んぼの脇では、ネコヤナギよりも遅れてイヌコリヤナギが咲き始めていました。
広場の片隅にはレンギョウの花。シナレンギョウと違って葉はまだ芽吹いていません。
長池里山クラブによる炭焼きは終盤戦。今夜未明に窯止めを行い、終了予定とのことです。
雑木林トレイルでは、ウグイスカグラ、マメザクラ、モミジイチゴ、キブシなどの花木が
咲いていました。雨露に濡れた花姿は、しばらく見とれてしまうほど美しい情景でした。
芽吹いたばかりのミツバアケビの赤ちゃんや、真っ赤なドングリの芽生えも発見!
冬鳥のシロハラとジョウビタキがまだいました。今年もたくさん遊んでくれてありがとう!
第二デッキの小池には、アズマヒキガエルが「ゲコゲコ」と鳴きながら集まっていました。
園内では、例年この場所でしか卵塊を確認していません。長池公園ではとても貴重な
アズマヒキガエルの産卵がそろそろ始まりそうです。皆さん、お見逃しなく!
さて、近くで一緒に観察していた親子連れのお子さんが「カエル気持ち悪い!」と言って
遠くから冷ややかな目で見ていました。対して、ずんずんカエルに近付いていく親御さん。
その姿に感化されたのか、お子さんもおそるおそる後ろから着いていきました。
どうなるかなと見守っていると、「あっ頭が出た!可愛い目!」と思わず口にしたのです。
“これはチャンス!”と私も加勢し、今度は3人で少しずつ距離を縮めていくのでした。
「あなた、隠れているつもり?見えているわよ!」
「この子、お化粧しているみたい、可愛いわね!」
・・こんなに素敵な言葉をかけるなんて、最初の言動からは全く想像もできませんでした。
子どもは、どんな生きものともすぐ友達になれる達人なんですね!
最後はお待ちかねのカタクリです。すでに花茎を伸ばして色付いた花が約20株ありました。
今日は曇天なので下を向いていましたが、明日には綺麗に開いてくれることでしょう。
これから2~3週間、晴れた日には、皆さんもぜひカタクリの花を愛でに来て下さいね!