3月26日、大気中を舞う黄砂や花粉によって遠景が霞んで見えます。花粉症の方にとっては
ムズムズして溜まらないはずの気候ですが、「春霞」という美しい言葉でも表現されます。
そんな春らしい穏やかな陽気の下、バス通り沿いのヨウコウ(陽光桜)が満開を迎えました。
この光景、もちろん私は毎年見ているわけですが、何度見ても圧巻です。歩道では写真を
撮る人、花見を楽しむ人などの姿があり、多くの方が心待ちにしていたことが伝わります。
桜並木に導かれるように、来園者の数もぐんと増え、自然館は一日を通して大賑わいです。
朝から嬉しい訪問者もありました。自然館中庭に仕掛けてある巣箱にシジュウカラが巣材を
運び込み始めたのです!朝と夕方、苔などを嘴に咥えて何回も往復を繰り返していました。
今年は無事に繁殖できるでしょうか?自然館のモニターから巣箱内をリアルタイムで見る
ことができますので、ご来館の際にはぜひ彼らの進捗状況をチェックしてみて下さいね!
この日の午前中は、世田谷区立二子玉川公園ビジターセンターのスタッフと同センターの
安全安心グループサポーターの皆さんが視察見学のために来園。園内をご案内しました。
二子玉川公園内の見まわり活動を主に担当するボランティアグループで、長池公園にはない
興味深い取り組みをなされています。一方、長池公園のボランティア活動は主に環境保全に
関する内容が大半です。互いの活動に興味津々で話は尽きず、有意義な交流ができました。
機会があれば、今度は私たちも二子玉川公園ビジターセンターを訪問してみたいですね。
視察対応中と夕方の鍵閉め時に園内で撮ったものたちです。順にアズマヒキガエル(卵塊)、
アマナ、カタクリ、コブシ、レンギョウ、シジュウカラ、シナミザクラ、ウワミズザクラ、
バイモ、ニワトコの蕾、アワブキの冬芽、ケスゲ、セキショウ、クマシデ、キブシです。
第二デッキの池では、待ちに待ったアズマヒキガエルの産卵を確認することができました!
「ウワミズザクラの芽吹きは杏仁豆腐の味がする」と教えていただき、ちょっと拝借して
かじってみると・・「あっ本当!」ほんのりと杏仁豆腐の味がしてびっくりしました笑。
季節がフルスロットルで進んでいくのを追いかけながら、五感で春の里山を味わう尊さと
いったら。年度末で色々やらなくてはならないのに、花鳥風月は待ってはくれないのです。