7月19日、講師の仕事で江東区を歩いてきました。いつもは里山歩きが中心の講座ですが、
今回は少し趣向を変えて都心の公園巡り。涼を求めてすぐに建物内へ逃げ込めるからです。
観察のテーマは2つ。1つは外来雑草の観察です。湾岸の埋立地は外来雑草のメッカであり、
木場公園の都市緑化植物園内には、それらだけを集めた「帰化植物見本園」があるほど。
予め色々見ておけば、多摩地域で見慣れぬ雑草を見つけた時、役立つかもしれません。
もう1つは「海抜ゼロメートル地帯の街中に生き物はいるのか?」という単純な疑問です。
生物多様性豊かな里山での観察に慣れすぎているので、果たしていつもの観察眼が
都会でも通用するのか、力試しも兼ねて、受講生の皆さんと生き物探しに熱中しました。
毎度のことながら、たくさんの出会いや発見があってとても載せきれないので、
外来雑草は諦めて、後者の生き物のうち、特に印象に残った昆虫をご紹介します。
大型の雑草、ノラニンジンの花と果実に群がっていたアカスジカメムシです。
セリ科の花の蜜や種子の汁を好むカメムシの仲間で、赤と黒のストライプ柄が独特!
某サッカーチームのユニフォームにしか見えませんが、小鳥が避ける警戒色なんですね。
さすがに大型の甲虫はほとんど見つけられませんでしたが、小さい子たちは色々いました。
左から順に、シラホシハナムグリ、ダンダラテントウ、キイロテントウ。
イモムシ3種盛りです。クスノキのアオスジアゲハ、エノキのアカボシゴマダラ、そして
ヤブガラシのブドウスズメ(※ホシホウジャクから訂正)、いずれも受講生が発見!
いると思って探すから見つかるのでしょうね。私はまだまだイモムシ修行が足りません・・
アカメガシワで獲物を待ち構えているのは、ムネアカハラビロカマキリの幼体でしょうか。
昨日のブログに登場したばかりのコノシメトンボ、今度は指でうまく捕まえられました。
この時、ムクロジの果汁とアオギリの実に入っていた臭い汁を触った直後だったので、
私の指はベッタベタ。トンボも変な液体をなすり付けられて、いい迷惑だったでしょう。
3枚目、大きいままの葉っぱをペタペタ貼り合わせた蓑虫はニトベミノガのようです。
・・ということでこれらはごく一部に過ぎませんが、こんな街中でも、しっかりと
命の営みが存在していること、そして、昆虫や植物が相互に作用し合って生態系が
成り立っていることが、改めて確認できました。先の疑問もこれで解決ですね!
おまけ。今日の一押しはこの子に決まり!タイサンボクの下に落ちていた若い果実です。