9月13日、先日の石尊山でのフィールドワーク続編として、生物をいくつか紹介します。
まずはこちらのヌマガエルです。関東地方で見られるヌマガエルは国内移入種とされ、
局地的に分布することが知られていますが、石尊山周辺は歩けばそこらじゅうから
逃げ出すほどたくさんのヌマガエルがいました。それも山麓の水辺だけでなく、
山頂付近の乾燥した尾根筋でも普通に見られることに驚きました。ヌマガエルは
産卵期間が長く、成長が早いこと、卵やおたまじゃくしの高温耐性が極めて高いこと、
温暖化により暖冬が増えたことで寒い地域でも越冬できるようになったことなど、
複数の生態的要因から分布を急速に拡大したといわれています。これらに加えて、
成体が様々な環境に適応して暮らしていけることも、拡大の要因といえそうですね!
薄暗い登山道を登っていく途中、2種類のイトトンボの仲間と何回か出会いました。
左がホソミオツネントンボ、右がホソミイトトンボです。名前のとおり、どちらも細身!
そして、どちらも成虫のまま冬越しすることが知られている種類です。私にとって、
ホソミオツネントンボはあまり出会う機会の無い種類ですが、この辺りではごく普通に
見られるようでした。一方、ホソミイトトンボは南多摩でも急増してきた種類です。
水辺から離れたところで出会うイトトンボたちは、私にはなんだか寂しげに見えます。
仲間と出会うことはできるのだろうか・・つい、そんな要らぬ心配をしてしまうのです。
一方、麓の水路では、すっかり赤く色付いたナツアカネや、縄張りを見張るオナガサナエの
姿を見かけました。秋はトンボが映えますね。どこからかモズの高鳴きも聴こえてきます。
普段のフィールドとは遠く離れた山里にも、同じ生きものの営みが育まれているのでした。