10月16日、「ノゴマの日」です。昨年の10月16日、長池公園に珍しいノゴマが現れて一躍
話題となりました。あれから1年経ったのですね!さすがに今年はどうでしょうね・・?
さて、講師の仕事で、地元の南大沢から松木日向緑地周辺をぞろぞろと歩いてきました。
駅前のハクセキレイねぐらや、ナンキンハゼ並木に小鳥たちが作り出した自然の植え込み、
歩道橋の下に潜むカエルやコウモリの話題など、長年の継続観察で得た地元ならでは知見を
ふんだんに盛り込み、レクチャーしました。やはり、ホームでの観察会は楽しいものです。
ひょうたん池のそばに、カワラケツメイが群生していました。足の踏み場も無いほどです。
黄色の残り花、若い緑の果実、熟した黒い果実、裂開して種子を飛ばしたあとの果実が
揃っていて、成熟過程の観察には最適でした。写真は今まさに・・という感じですね!
かつては珍しく、見つけると嬉しかった植物ですが、少なくともここ10年くらいの間に
由木地区では急増し、今ではありがたみも薄れてしまいました。増加の要因は不明です。
秋の散策の醍醐味は、なんといっても彩りの豊かさです。左から順に、アキニレの紅葉、
湿地に群生するオオミゾソバの花、草地のセイタカアワダチソウとアキノノゲシです。
伝統色の色見本シートが活躍する季節がやってきました。次回こそは持って行こうっと!
そしてもう一つの見どころが、“実りの秋”ということで木の実です。鮮やかなツリバナ、
鳥の嘴のような形のツノハシバミ、思ったよりもドングリが大きかったウラジロガシなど、
行く先々でいい出会いがありました。他にも、アワブキやトチノキの果実を観察しました。
昆虫で印象に残ったのはこちらです。たくさんの人が行き来する歩道橋の真ん中に止まり、
危うく踏みそうになったオオチャバネセセリ。試しに指を差し出してみたら、止まって
くれました。指に乗せて得意げな私の顔を想像して下さい。(2枚目は受講生のTさん提供。)
弱っていたわけではなく、止まった場所が悪かっただけのようで元気に飛び去りました。
その他に出会った昆虫です。イモムシが苦手な方はごめんなさい。メンガタスズメ(幼虫)、
アカボシゴマダラ(幼虫)、クズクビボソハムシです。秋にも案外イモムシがいて驚きます。
午後は牧野標本館を訪れ、親切なスタッフの案内で、展示や標本作成用の植物を圧縮する
様子などを見せていただきました。お忙しい中、丁寧に対応して下さり本当に感謝です!
秋の彩りに木の実、昆虫、展示見学と、盛りだくさんの講座となり、大満足の一日でした。