10月11日、八王子の中心市街地から近い、横川町方面の民有緑地で植物調査を行いました。
到着して車を降りると、アブラゼミの鳴き声が聴こえてきてびっくり!確かに日中は気温が
上がり、暑いくらいでした。市内の終認記録として音声をスマホ動画で録っておきました。
林縁でこんな光景に出会いました。ウバユリの果実の柄に止まるルリタテハの幼虫です。
球形の果実とトゲトゲの幼虫の対比がなんだかユーモラスで、思わずカメラを向けました。
※以下、16日追記
この記事を読んた知人のOさんから、上の写真について驚きの情報提供がありました。
「このルリタテハの幼虫は寄生蜂にやられていますね。ルリタテハの腹側に白い塊が
ありますがこれはタテハサムライコマユバチの繭です。幼虫は、繭を守るように
コントロールされていて、ハチが羽化して出て行ったころに死んでしまいます。」と!
確かにおかしなところにいるし、白い塊も謎だし・・そんな疑問を抱きつつも、時間が
とれず、調べることもせずに載せていました。メールでのご指摘に感謝申し上げます。
調べてみると、1匹のルリタテハの幼虫から150匹以上もの寄生バチが羽化するのだそう。
寄生されたルリタテハの幼虫は終齢期が2倍も長くなり、蛹にならず死を迎えると。全てが
合点するとともに、じつはこの光景には恐ろしい事情があったことに身震いしました。
サンショウの実が熟していました。裂開した袋果の隙間から黒い種子が顔を出しています。
渡りを控えているキビタキや、渡ってきた直後のジョウビタキ、居付きのメジロといった
多くの小鳥にとって重要な栄養源になっており、実の二色効果に誘われて集まってきます。
市内では希少なチョウセンガリヤスをはじめ、様々な植物を確認することができました。
順に、チョウセンガリヤス、オオバキハダ、コヒロハシケシダ、ヤマミズ、ヤクシソウ、
ゲンノショウコ、ヤマホトトギス、ササクサ(ノギササクサ)、カラスウリです。
獣道を辿っていくと、ここにもしっかりありました。ホンドタヌキのため糞場です。
タヌキは一か所にまとめて糞をする習性があり、調査中はたびたびトイレに出会います。
こんなに立派なキノコも見つかりました。マントカラカサタケでしょうか?大迫力!
四方を住宅地に囲まれた2ヶ所の小さな緑地ですが、生物多様性の面から見てとても重要な
拠点になっていることがわかりました。実際に歩いてみないとわからないものですね!