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野生化するナリヒラヒイラギナンテン

1月5日、正月らしい天気が続いていますが、この冬はひときわ雨が少ないと思いませんか?

6日に久しぶりの雨予報が出ています。まとまった雨が降るのは11月下旬以来のようです。

これだけ晴れや曇りの日が続くと、乾燥などで動植物に影響が出てもおかしくありません。

話は変わりますが、最近、公園緑地の樹林内でこんな植物を見かける機会が増えました。

ヒイラギナンテンに近縁の園芸種、ナリヒラヒイラギナンテンです。古くから植栽される

ヒイラギナンテンと比べて、小葉が細長く、触っても柔らくて全く痛くないのが特徴です。

正確ではないのですが、南多摩エリアでは2010年代くらいから新築住宅のエクステリアや

道路緑化などで盛んに導入されるようになり、現在ではあちこちでその姿を目にします。

縁起物(ヒイラギ=魔除けの象徴×ナンテン=“難を転ずる”を連想)として使われてきた

ヒイラギナンテンの痛くないver.ということで、扱いやすく、人気が高まったのでしょう。

花や果実はヒイラギナンテンとそっくりで、性質もほぼ変わらないため、周辺への野生化も

時間の問題だろうと予想していたのですが、やはり小鳥による果実の被食散布が見られる

ようになり、植栽ブームが始まってから10年少し経った今、各地の樹林地で実生個体を

見かけるようになったのです。写真は堀之内沖ノ谷戸公園の閉鎖管理区域内の雑木林に

逸出していたものです。このような実生個体がさらに増加し、林床で成長することで

他の在来の植物に影響を及ぼすかどうかは未知数ですが、動向に注目していきたいですね。

参考までにナリヒラヒイラギナンテンの開花期の写真も掲載します。見たことありますか?

ナリヒラヒイラギナンテンよりも以前から国内で植栽されてきた3種も写真を掲載します。

この仲間の共通点は、ヒイラギのような刺と厚みのある小葉が羽状にならんだ複葉です。

左から順にセイヨウヒイラギナンテン、ヒイラギナンテン、ホソバヒイラギナンテンです。

花穂が上に向かって伸びるセイヨウヒイラギナンテン(マホニア・チャリティ)は、自然館の

中庭にも植栽されており、石の廊下ギャラリーからガラス越しに観察することができます。

ちょうど今時期、メジロが花の蜜を舐めに、ヒヨドリが花を食べに集まってくる頃ですね!


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