11月1日、多摩丘陵の自然を守る会の定例自然観察会で鹿島・松が谷方面を散策しました。
由木地区環境市民会議主催の講座の下見を兼ねて、色々とチェックしながら廻りました。
遊歩道沿いのエノキの実生木には、定番のアカボシゴマダラ(幼虫)が止まっていました。
在来種のオオムラサキやゴマダラチョウが大きく育ったエノキの葉を食べて育つのに対し、
アカボシゴマダラは膝下から大人の身長くらいの若いエノキの葉でよく見つかります。
会員の参加者も、こんな身近な場所で愛らしいイモムシと出会えることに驚いていました。
同じ枝にはアオモンツノカメムシの成虫もいて、葉の陰から姿を現してくれました。
秋らしく、様々な植物の実りを見ることができました。ノササゲは枝豆のような形のサヤが
特徴的ですが、全体が鮮やかな紫色へと色付き、小鳥に対するアピールを始めています。
やがて裂開すると、中からは美しいタネが登場します。過去の記事はこちら→ノササゲ
大塚東公園の法面樹林下ではセンボンヤリの閉鎖花が実を結び、タンポポのような綿毛が
目立っていました。周囲では、ウメガサソウの果実もあちこちから茎を伸ばしていました。
遊歩道沿いや大塚西公園の池のほとりで、たわわに実を付けているこちらの木は何というか
ご存じでしょうか?コミノネズミモチ(シナイボタ)という種類です。和名の混乱があり、
馴染みの無い名前かもしれませんが、多摩ニュータウンでは各所に植栽されています。
それを小鳥が食べてはせっせと運んで、今では至るところに実生個体が野生化して急増中。
葉はイボタノキとよく似ていますが、短い柄があります。実の付き方や形も異なります。
皆さんの家の周りでも見かけるのではないでしょうか?以前書いた記事です→令和2年の干支はネズミ 名前にネズミがつく植物の話/小林健人 | 植物とあなたをつなぐPlantia
そんなコミノネズミモチの葉に、テントウムシのような小さい甲虫が止まっていました。
眺めの触角が見えてピンときました。キンモクセイなどモクセイ科の樹木を食害する甲虫、
ヘリグロテントウノミハムシです。ブログでも何度か登場していますね!キンモクセイや
ヒイラギモクセイの葉を食べているのは見たことがありましたが、コミノネズミモチに
いるところは初めて見ました。考えてみれば、本種もモクセイ科なんですね。ハムシは
私よりもよっぽど見る目があります。というより、彼らにとってみれば美味しいかどうか、
それが全てなんでしょうけれど。「コミノネズミモチの葉っぱ」という新メニューの登場は
ヘリグロテントウノミハムシ界では、きっと口コミで話題を呼んでいるに違いありません。